課題の教科書

Critical Realism for All Leader

年収1000万円世帯でも老後が心配な問題家計を生涯黒字にするための課題

こんにちは。ポエタです。

年収1000万円でも家計が苦しい世帯があるそうです。

理由は千差万別ですが、高年収であるがゆえの油断は否めません。

今回の記事では、年収1000万円世帯の赤字家計を黒字に転換するための課題の検討を実践しました。

 

1 はじめに

年収1000万円の人でも預金がたまらず老後に不安がある人がいます。そういう人の話を聞くと、「1000万円もあれば、なんとかならないの?」と思ってしまいます。しかし、現実はそう甘くはないみたいです。

年収1000万円世帯が老後の見通しを立てるための課題を考えたいと思います。

 

2 老後計画の必要性

(1)年収1000万円世帯の嘆き

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日経ビジネス(2018年11月26日号、No.1968、P.24-25)によると、年収1000万円前後の勤労者世帯の可処分所得は、1998年に76万円だったのが、2017年には67万円まで下がっています。税と社会保険料の合計は、2005年以降で見ると20%増えています。その結果、年収1000万円世帯で貯蓄がない世帯は約2割あると言われています。

家族持ちだと、子育てに何かとお金がかかります。せっかく高年収だし、家族サービスで旅行やその他のイベントにもお金を使いたい。住宅ローンもある。1000万円世帯でも、なんだかんだでお金がたまらないそうです。

ネットの記事で、高年収の単身者がお金をバンバン使って、貯金がたまらない事情を紹介する記事を読んだことがあります。

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仕事漬けの暮らしを送っていると、お金を使う誘惑は様々あります。

 <出費の理由>

  • 消費がもたらす成長実感
  • 仕事の動機付け
  • 自分への投資

こういう理由で、何かにつけてお金を使う行動を正当化してしまうようです。月々は赤字でも賞与で取り戻すパターンだと、年間では黒字かもしれません。ですが、賞与に変動リスクがある場合は、年収1000万円でも安全とは言い切れません。

(2)節約術は“焼け石に水

貯蓄を増やすには、収入を増やすか支出を減らすかのどちらかしかありません。会社勤めで簡単に収入を増やせない場合、注目が集まるのは節約術です。

よくある節約術は、こんなものです。

他にもあるんだと思いますが、もともとが高年収で支出が焼け太りになった家計では、多くの節約術が「焼け石に水」の状態になりかねません。

(3)今から老後の実感をもち意識を変える

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年収1000万円で月々が赤字の家計を黒字にもっていくには、収入と支出の構造を大幅に見直す必要があるでしょう。家計を黒字にもっていくには、暮らしを根本から見直す意識への転換が必要です。しかし、「今はまだ若いし、とりあえず生活はまわっているから大丈夫」という理由で問題を先送りしてしまうかもしれません。

年収1000万円世帯が月次の赤字を脱却するためには、まず意識を転換することが課題です。

老後は公的年金が出たとしても、現役時代に比べて、生活水準を落とすことを余儀なくされる可能性が高いです。不満足な老後の生活を送ることには、危機感を感じるはずです。

ですので、今すぐ、老後を含めた生涯の生活設計と資金計画づくりに取り組んではどうでしょう。老後の生活の厳しさを実感しますから、現状を真剣に見直すきっかけになるでしょう。このままの生活を続けていると、老後に生活が破綻する現実を目の当たりにすれば、おのずと意識は変わります。

 

3 生涯計画のリスクと課題

(1)生涯計画の大変さ

生涯の資金計画を立てるには、ツールとスキルが必要です。

例えば、毎年の収入と支出の予算を立て、表計算ソフトにロジックを埋め込んでいきます。

家計で発生する毎月の支出の通常パターンを把握し、突発的に発生するイベントの支出も予算に織り込みます。

退職後は、現役時代に勤め先の会社が支払いを代行してくれていた税金や社会保険などを自分で支払う必要があります。どういう前提であればどういう金額になるのか、公式のロジックを調べて計算式に落とし込む必要があります。

納めた年金の受給額もねんきんネットで試算する必要があります。一定の年金の知識が必要です。

また老後は、現役時代より余計に医療費と介護費がかかります。今の自分の実績と高齢者の実績統計を見比べながら、妥当な金額を設定する必要があります。

そして、長寿社会に拍車がかかっていますから、平均寿命を越えて長生きした場合のリスクシナリオも想定する必要があります。

その上で、手持ちの現預金(銀行口座の残高)がマイナスにならないかをチェックします。マイナスになったら資金ショートです。破産するか借金で乗り切る必要が出ます。支出を見直す必要があります。目指す黒字化の意味は、月次の黒字ではなく、生涯を終える時の黒字です。

長生きしても首尾よく資金がまわるなら、立てた予算を計画として、毎月実行し、予算値を実績値に入れ直していきます。予算に収まる実績値が入れば問題ありません。

予算と実績のズレが極力生じないように、家族の行動を管理する必要があります。もし予算と実績のズレが生じたら、何で補填するかよく考える必要があります。

老後の予算策定は、やってみると相当時間のかかる作業で、調べることも膨大にあります。表計算ソフトを使い慣れていないと、心が折れそうになるかもしれません。

おそらく、多くの人が、そこまでやっていないでしょう。ファイナンシャルプランナーに相談したことがないので、外部専門家の利用については、なんとも言えません。

ですが、自分でこれをやると、老後に対する意識が変わり、現役である今の生活動作にも規律が生まれます。甘い考えで出費を増やす動機は、すぐ潰すことができます。

(2)老後計画の重大リスクと想定課題

めでたく老後計画が立ったとしても、人生にリスクはつきものです。安心はできません。

主な重大リスクが4つ想定されます。

インフレ(資産価値の変動)

今の貨幣価値で計画を立てて成り立つとしても、インフレだと、物の値段が上がっているかもしれません。それだと、遠い将来は、想定より生活を切り詰めないと乗り切れなくなります。

インフレは、「モノ」の価値が上がり、「カネ」の価値が下がることです。インフレリスクに対応するには、資産を現預金ではなく「モノ」でもてば、資産を守ることができます。

しかし、全てをモノにすると、いざという時に必要なカネが不足してしまいます。資産価値の変動リスクを抑えるには、資産ポートフォリオの形成が課題になるでしょう。

<想定課題>

公的年金の持続性

公的年金にも一応リスクはあります。今の社会保障制度で約束された金額は現に今の受給者には支払われているわけですが、将来数十年後は、どんな社会保障制度に変化しているかについて確たることは誰にも言えません。

社会保障制度が将来破綻すると断言する人がいますが、ポエタは制度の破綻リスクよりも制度変更のリスクを想定する方が先だと思います。まずは制度変更のリスクについて対応策を考えた方がよいでしょう。

課題の着眼は、老後の生活を公的年金一本で頼らないことです。自己リスクで資産運用することも一案です。積立NISAやiDeCo(個人型確定拠出年金)は、一部課税上のメリットを受けることもできます。

 <想定課題>

・自己リスクでの資産の長期運用

病気・介護・怪我などの不可測事態

仕事の無理がたたって、病気になって働けなくなるかもしれません。また、思ったより早い年齢で介護が必要になるかもしれません。あるいは突然の自動車事故で思い障害を負うかもしれません。

そういう最悪の事態も想定した保険商品の活用も視野に入るでしょう。

 <想定課題>

・保険商品の活用

④家族の先行き

将来、子供や孫の暮らしが立ち行かなくなった場合、手助けしたいという思いにかられるかもしれません。ある程度の財務的なバッファを確保しておく必要があるかもしれません。

 <想定課題>

・財務的バッファの確保

 

4 最後に

(1)攻めと守りのバランス

年収1000万円は高年収です。仕事にも張り合いがある人でしょう。そういう人は、「今から守りに入る人生なんてつまらない」と思うかもしれません。

それはそうかもしれません。ですが、一度守りを固めると、攻め時の判断を誤らずにすむのではないでしょうか。

仕事でリスクを取るのは当然です。しかし、生活までもリスクをとる戦場と化したら、二正面作戦です。一日は24時間しかありません。仕事と生活の両方でリスクをとることを避けるのは懸命な戦略的判断ではないでしょうか。

生活で守りを固め、仕事でリスクをとる。そういう方針なら生活と仕事が補い合う、一種のワークライフバランスなのかもしれません。

(2)まとめ

  • 年収1000万円世帯の家計が苦しい理由は様々
  • 節約術にはげむ前に意識転換が課題
  • まず生涯の資金計画を立てよう
  • それでも起こり得る重大リスクに備えよう

<主要参考文献>

日経ビジネス(2018年11月26日号、No.1968)日経BP

ポエタ

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