課題の教科書

Critical Realism for All Leader

コンビニのドミナント戦略でローソンがとるポジション

こんにちは。ポエタです。

圧倒的なドミナント戦略を業界で競うコンビニ大手のローソン。ですが、国内首位のセブンイレブンの影に隠れがちの印象があります。

今回の記事では、竹増社長のインタビュー記事から読み取れるローソンの取り組み課題を事例として、ローソンのとるべきポジショニングのヒントを考えます。

 目次です。

 

1 はじめに

日経ビジネス(2018年11月19日号)にローソン社長竹増貞信氏のインタビュー記事が載っていました。ローソンは、国内で1万4000店以上のコンビニ店舗を運営し、業界3位です。

竹増社長は、インタビューで、他社の攻勢や人材不足などで事業環境が厳しさを増す中で、成長のための課題認識を示しています。

今回の記事では、インタビュー記事をもとに、ローソンの取り組み課題を整理し、ローソンのとるべきポジショニング戦略の手がかりを考えます。

 

2 ローソン社長インタビューに見る取り組み課題

(1)セブンイレブンとの業績比較

コンビニ業界の国内首位は、セブン&アイ・ホールディングスセブンイレブンです。セブンイレブンとローソンの主な業績比較が下表です。

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チェーン全店売上では、セブンイレブン(7&iHD)は7兆8120億円です。対するローソンは2兆2840億円です。

対チェーン売上高営業率は、セブンイレブン(7&iHD)が4.1%。ローソンは2.9%です。

売上規模の面でセブンイレブンがまさっているだけでなく、収益力の点でもセブンイレブンの強さが際立っています。

(2)ローソンが取り組んでいる課題

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もともと、セブンイレブンに水をあけられているローソンですが、米アマゾン・ドット・コムの攻勢や、国内の人材不足、人口動態や生活スタイルの変化など、対応すべき大きな問題が浮上しています。

竹増社長は、インタビューで、これらの問題を念頭に、主に次のような課題認識を表しています。

<主な課題>

  • 子育て共働き世代にフォーカスした夕夜間帯の重点化
  • デジタルを活用した品揃え力強化
  • サービスの多様化(介護相談、ヘルスケア、銀行業等)
  • 人材不足への対応(AIの導入等)

また、夕夜間帯のピークを活かし、2019年2月期は約800店を純増させる計画が進んでいます。

(3)コンビニ事業の特徴

大手のコンビニ各社は、ドミナント戦略をとっています。地域ごとの商圏に店舗を密集配置し、独占状態を目指す戦略です。コンビニは、運営を標準化した店舗の数を増やして全体の効率を上げます。

セブンイレブンもローソンも国内は全国規模でドミナント戦略を競っています。今のところローソンはセブンイレブンの後塵を拝しています。

竹増社長のインタビューを読むと、きめ細かな問題意識で出来上がった課題認識が浮かび上がってきます。しかし、これならセブンに勝てるという決定打は見えません。ポエタは竹増社長がこの点をどう考えているかに関心を持ちました。

競合する企業が類似した戦略をとる限り、たった一つの取り組みで勝敗が決するとは思えません。コンビニのドミナント戦略は基本的に、量と標準化で勝負する発想です。ドミナント戦略で勝負する限り、取り組みの僅差が積もり積もって大差の結果となって現れるのではないでしょうか。

おそらく竹増社長は、僅差の取り組みを積み上げるために、地道な取り組みをきめ細かく進める基本路線をとっているのではないかと思います。

 

3 コンビニのポジショニング要素

(1)立地

ポエタのコンビニ利用者としての感想を述べたいと思います。ポエタはセブンイレブンが業界首位だからと言って、セブンイレブンを選びません。

ローソンとセブンイレブンが並んでいたら、セブンイレブンに入店するとも決めていません。

コンビニは近いところを選んで行きます。両方近かったら、直感的に購買体験で感じた魅力度を勘案して選びます。

(2)商品

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置いてある商品の違いも選択に影響はあると思います。しかし、ポエタの場合、商品で店を選ぼうとはあまり思いません。

例えば、「今から◯◯社の××ポテチを買いに行こう、セブンにはあったから行こう」とはあまり思いません。

ただコンビニに菓子を選びに行くだけのことが多いです。たまたま近くのコンビニを選んで入り、嗜好に合いそうな商品を見つけて買います。

その購買体験と購入した商品の良し悪しで、無意識ではコンビニ各社に対する評価を下している可能性はあります。ですが、それを意識はしていません。

(3)店員

セブンイレブンの店員は他のコンビニより総じてテキパキしている印象を持ちます。なんででしょうね。ネット上でバイト情報を見て、時給を比較しましたが、大差ありません。研修などの人材投資に違いがあるのでしょうか?

しかし、ポエタは自分の購買行動を振り返ると、会社ごとの人材のレベルでコンビニを選んでいるとは思いません。店員の対応の良い店はセブンイレブン以外の店にもあります。ポエタの個人的な感想では、その店に対する印象は、コンビニの「会社」より、個々のその店の「店員」に左右される気がします。

 

4 最後に

(1)人の要素にヒント

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竹増社長は、AIの活用を唱えています。AI活用は、人材不足を念頭に置いた問題解決の方法です。しかし、単純にAIの活用で人材不足を補った場合、事業に占める「人」の比重は弱くなる可能性があります。

一方で、竹増社長は人の「温かみ」を重視して、店舗で入れたコーヒーの手渡しにこだわりを見せています。このような接客作法が、竹増社長の考える大切な「僅差」なのかもしれません。

技術を用いた効率化でバックヤードの仕事を減らしながら、接客に人的資源をより多く投入する考え方であるように理解することができます。

ただ、その考え方を具現化するためには、具体的な施策が必要です。店頭でのサービスレベルの向上に合わせて、人材への投資や給与水準の引き上げが必要かもしれません。

単なる人材不足への対応としてAI技術の活用を位置づけるだけでは、足りない分を補っただけになります。AIの活用には、抜本的なサービスレベルの向上が伴う必要があるでしょう。そのためには大々的な人とモノへの投資が必要かもしれません。いつどれだけ人に投資するのか、具体的な方針設定が重要ではないでしょうか。

(2)まとめ

  • コンビニは僅差が大差を生む事業
  • 僅差の努力の源は「人」
  • 人材投資を中心とした具体的方針が重要

 

<主要参考文献>

・株式会社セブン&アイ・ホールディングス有価証券報告書(平成29年3月1日〜平成30年2月28日)

・株式会社ローソン2017年度通期決算説明会

日経ビジネス(2018年11月19日号 No.1967)

ポエタ

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