課題の教科書

Critical Realism for All Leader

出版社に新卒で就職するために知っておくべき就職活動のポイント

こんにちは。ポエタです。

出版の世界は幅広く全体像はよくわからない世界です。よくわからないながらも、就活生が気をつけるべきポイントを出すことはできます。出版社の世界を詳しく研究する前に読んでおくべきことを整理しました。

 

1 はじめに

新卒で出版社への就職を目指す場合、どんなことに気をつければよいのか。採用担当者にとって、あなたは数ある志望者のうちの一人です。「この人はよく考えているな」と思ってもらえる人材になるために、抑えておきたいポイントを整理しました。

 

2 出版社業界の概観

(1)業界は幅広い

出版業界と言っても、出版社だけが業界ではありません。出版業界は書店、取次、印刷など裾野が広がる業界です。

出版社の仕事はハードワークです。高い専門性も要求されます。例えば、「本が好き」→「出版社名を知っている」→「出版社に入りたい」という展開だけでは、採用担当者に対して自分の熟慮と熱意を伝えることは難しいでしょう。

本が好きなら、書店で仕事したってよいはずです。書籍文化への貢献なら取次でもよいはずです。本を作りたいなら印刷でもよいはずです。なぜ出版社なのか、理由をはっきりさせる必要があります。

<ポイント>

  • 出版社を志望する理由は何か

(2)分業化が進んでいる

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出版業界と聞いて、何も知らずに思い浮かべる仕事のイメージは編集者の仕事スタイルです。一種の花形でしょう。

しかし、出版社は多様な部門で成り立っています。営業、広告、経理・財務、人事、総務、制作、編集、校閲などです。

編集者を志望する動機が立派にあれば、採用担当者から浅薄な動機とはみなされないでしょう。しかし、編集者志望なのであれば、出版社志望ではないことになります。採用担当者に「この志望学生は編集に向いていない」と判断されれば、即却下という判断になりかねません。運よく、別な職種に向いている見所が見つかれば別ですが。

分業化が進んでいるということは、職種間のしわ寄せの問題が起こりやすいということでもあります。単なる職種へのこだわりの強さは、他の職種への無理解につながる恐れがあります。なぜその職種を志望するのかは、慎重かつ丁寧に考えた方がよいでしょう。

<ポイント>

  • 志望する職種は何で理由は何か

(3)ネット化の流れで激変中

書籍のネット購入の浸透、電子書籍の普及、紙媒体の販売不振など、出版業界は激変中です。変化は成長の源なので、出版業界が衰退するとは限りません。ですが、変化の波に乗れない出版社は衰退する可能性が十分にあります。

変化の波にさらされた業界の会社には、大きなひずみが生まれます。出版社も、時代の変化で次々難題に直面し、就職後に思わぬ矛盾を背負う覚悟は必要でしょう。

過去の、商売が繁盛し華やいだイメージのある出版社への憧れで志望した人は、就職しても新たな変化への対応に苦痛を感じるかもしれません。

<ポイント>

  • 新たな時代を迎え撃つ気概はあるか

 

3 就職活動で気をつけるべきポイント

(1)出版社一本は避けるべし

出版社で、従業員数が500名を越える会社はわずかです。講談社集英社KADOKAWAなどです。

割と名の知れた出版社でも、意外と数十名の従業員であることが多いです。出版社業界は、大半がいわば零細企業です。

ポエタは学生の頃、いつもいい本を出している、そこそこ著名の出版社に採用の問い合わせをしたことがあります。「新卒の人材募集はしていません」と断られ、書籍紹介パンフレットだけ送られてきました。その会社は今も20数名の従業員でやっているみたいです。

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大手を第一志望にして、中小を滑り止めにする、という戦術で就職活動をするのは、出版社の場合リスクが高いです。

大手は就活生に人気があり、難関です。一方、中小は入りやすいかというと、数十名、十数名でやっている会社が、頻繁に新卒を採用するとは思えませんし、少数精鋭の場合、選考基準が極めて高いか、特殊である可能性があります。

全部落ちるリスクを避けようとすると、それだけ幅広く中小の出版社を回ることになります。しかし、それはかなり大変なことだと思います。

ですので、出版社だけを就活の志望先に絞り込むことは、かなりハイリスクだと思います。「入れば儲けもの」というスタンスで、他の業界と併せて活動した方が無理がないと思います。

なぜ出版社を志望するのか理由がはっきりしない場合、イメージだけで出版社に前のめりになる恐れがあります。出版社の志望理由がはっきりすれば、それと同じ理由で他の業界にも関心が向きます。出版社ありき、ではなく、目指す理由をよく考えましょう。

<ポイント>
  • 大きな視点で出版社を位置付けよう

(2)給与水準だけで出版を志望すると危険

出版社の中には、大卒初任給が40万円を越えるところがあります。いっときの出版の華やかなイメージと合わせて、高給という印象は強いです。

しかし、全ての出版社が一様に高給とは限りません。出版社という括りで志望しても、必ずしも高給という果実には辿り着きません。

高給を目指す場合、出版社一般を志望するロジックは、ほとんど成り立たないと思います。出版社で高給を勝ち取った多くの場合、「志望した出版社がたまたま高給だった」「高給を目当てにそこだけ受けてみたらたまたま通った」という、たまたまの結果ではないでしょうか。

<ポイント>

  • 高給は結果の果実であり狙う先なら他にもある

(3)大手と中小での仕事の違いを確かめよう

大手は、多くの部門が配置され、分業が成り立っています。中小は一人の人材が幅広い業務を担います。そのため、入ってからの経験の積み方は異なるでしょう。

どちらがよいかは一概には言えません。大手に入ったけれど希望の部署に配属されず、不本意な気持ちを味わうかもしれません。中小に入ったら、あれもこれも仕事を覚えるのが大変かもしれません。

出版社によって、キャリアの積み方は異なるでしょう。志望先の出版社にちゃんと確認して、自分の志望理由と照らし合わせるのが賢明です。

<ポイント>

  • 志望先とキャリアの希望を擦り合わせよう

4 最後に

(1)「会社」に入る熱意を語れるか

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志望理由は、商品なのか、仕事内容なのか、出版人としての誇りなのか、で大きく異なると思います。

「御社のこの雑誌のファンだから志望しました」と言っても、今のご時世では、いつ廃刊になるかわかりません。もちろん、その会社が今まさにその雑誌の企画で新しい人を求めていればプラスポイントかもしれません。しかし、その場合、「どんな人材を求めているか」「あなたの強みは何か」によって、評価の度合いは違ってくるでしょう。

「こういう仕事内容に魅力を感じて志望しました」と言っても、該当する部署に人員増強の方針はないかもしれません。あるいは逆に、その出版社が該当部門で新卒を求めていれば前向きに検討するかもしれません。しかし、もしも部門を転属した場合に、やる気がダウンするリスクを抱えることになります。

「こういう出版人になってビジョンを長期的に追求したい」と壮大なことを言えばどうでしょうか。その場合、その出版社の企業理念と合うかどうかが問題になります。

もし合えば、入社後しばらくどの部門で仕事するかは、とりあえず問題にならないかもしれません。また、どの商品の仕事に携わるかも、一過性の問題だから、やる気のダウンにはならないかもしれない。

ですが、壮大なビジョンを語る場合、うわ滑ることのない説得力が必要でしょう。論理的な理由。共感を呼ぶ経緯。意欲が感じられる狙い。これらを具体的に語る必要があるのではないでしょうか。そしてどんな仕事にも意欲的に取り組む熱意を明確に伝える必要があるでしょう。

なぜ、その「会社」に入りたいのでしょうか。出版の仕事をするなら、フリーランスとして仕事をしてもいいはずです。その会社の、今いるどういう人と、どう協力して、どんなことをやりたいのですか。時に生じる組織の不条理にも耐えて、それでもその「会社」でやり遂げたいことは何ですか。その具体的な構想を持つことが、就職活動のエネルギーになると思います。

就職活動ではコミュニケーション力が問われます。コミュニケーション力は、単なる話術ではありません。相手の立場に立って考えることです。「それだったらウチに来なくていいんじゃないの?」「それだったらウチに是非来てほしいな!」と、会社の人は素直に考えます。

会社は必ずしもお世辞では動きません。本質的な部分に常に目を光らせています。仕事をするというのは、そういう厳しいやりとりです。そういう仕事の現実に手を触れたことを言ってみてください。

(2)まとめ

  • 出版社、職種を志望する理由は何か
  • その会社に入って仕事したい理由は何か
  • 志望先の出版社の立場に立ってアピールポイントを考えよう

<主要参考文献>

『産業と会社研究シリーズ②出版−2018年度版』植田康夫監修、産学社、2017年

ポエタ

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