課題の教科書

Critical Realism for All Leader

問題と課題の違いとは何か工場火災と異常気象を例に課題の考え方を述べた

こんにちは。ポエタです。

問題はただの事象です。課題は問題をネタにグルグル自由に考えることができます。課題は問題にはない希望と自由を宿しています。

今回は、問題と課題の違いを考え、課題思考の幅の広さを問いかける理論編です。

目次です。

1 はじめに

問題と課題の違いについては、よくご存知の人もいるかもしれません。考えてみると、課題はとてもクリエイティブです。課題を考えることは責任の重圧に苦しむことではありません。課題は問題に前向きに取り組むことです。

今回は、問題と課題の違いを考え、課題の決め手となる問題の本質とともに課題の考え方を考察します。

 

2 課題とは何か

(1)問題と課題の違い

問題と課題の違いは何でしょうか。

  • 問題:目的の達成を阻害する事象
  • 課題:問題を解決するために取り組むべきこと

問題は、単に起きている事象を言うだけです。それに対して、課題は、問題解決のためにまさに取り組むべきことです。

問題と課題の例を挙げます。

  • 問題の例:自社のA工場で稼働中に爆発事故が起きた
  • 課題の例:安全管理を徹底するための要員配置の適正化

課題の考え方は、問題解決に見当をつけることです。見当をつけるためには実態を把握する必要があります。

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例えば、爆発事故の原因を調査し、一部の工程に人が張り付いていなかったから、安全の確認を怠り、事故に至ったことを究明します。なぜ人が張り付いていなかったかを確認したら、突発的な業務の発生で一時的に手がまわっていなかった、ことがわかります。

要員の絶対数は不足していないけれども、一時的に配置の問題が生じていたわけです。だとすると、要員配置を適正化することが課題である、と見当をつけることができます。

このように、問題解決に見当をつけるためには、問題発生の原因を掴む必要があります。

(2)課題と解決策

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先ほどの例で、突発的な業務の発生は、本社側からの要請で管理帳票の提出を求められたからだとします。工場の稼働人員で対応するか、余剰人員で対応するか、稼働終了後の時間に対応するか、の判断基準が工場全体で明確に共有されなかったことがわかったとします。

再発防止のためには、様々な事象が生じた場合の、要員配置に関連する判断基準について、工場の幹部全員で確認し合う研修会の実施が解決策かもしれません。

問題の本質を深掘りしながら、適切な解決策を探っていくことになります。

(3)問題解決のプロセス

一般的に、「問題の原因把握」 → 「課題の設定」 → 「解決策の策定」というプロセスを辿って問題解決に取り組みます。

しかし、実際には、このように綺麗に流れていくことはあまりありません。問題の原因をつかんで課題の設定に至りますが、次の解決策を練る際に、また問題の原因を深掘りすることもあります。

あるいは、解決策を練っていると、問題解決の見当をつけ直し、課題の精度をあげる必要に気づくこともあります。

課題設定の妥当性は、最終的に問題が解決する結果を得ることで、証立てられます。問題が解決しないうちに、この課題設定は完璧だとは、多分誰にも言えないでしょう。理論的には三つのプロセスを綺麗に辿るのが理想ですが、少なくともポエタには、そういう理想的な経験が豊富にあるわけではありません。実務的には、プロセスの間を行ったり来たりせざるを得ないと思います。

 

3 問題の本質の解明

課題の妥当性は、結果論だと言いました。しかし、結果論だとしても、課題の妥当性は、結局のところ、問題の本質を掴んでいたかどうかによります。

では、問題の本質とは何でしょうか。ポエタは次の3つあると考えています。

(1)原因

問題となった発端事象の原因です。原因を掴むためには、誰が(WHO)、いつ(WHEN)、なぜ(WHEN)、どこで(WHERE)、何を(WHAT)、どのようにしたか(HOW)をはっきりさせる必要があります。

大事なことは、原因を、全てに覆いをかぶせるように言おうとはしないことです。全てに覆いをかぶせると、抽象的なことを言うことになります。概念的にはそれっぽいのですが、それは原因ではありません。単なる共通項みたいなものになってしまいます。

むしろ、たった一つの事実が、全ての問題事象の根源である、と見定める必要があります。

(2)影響

しかし、根本原因がわかったとしても、どうにもならないこともあります。売上不振の原因が、異常気象だった場合には、原因をどうすることもできません。

その場合は、根本原因が及ぼす「影響」に絞りを当てて考え直すことができます。

①原因を遠因とする直接の影響因子

異常な寒気のせいで店に買い物に来たくない顧客は、異常気象を遠因とする直接の影響因子です。その場合、顧客の心理が問題の本質です。顧客の寒さ対策が課題となり、ネット注文の宅配サービスが解決策になるかもしれません。

②引き起こされている影響の程度、範囲、時間

寒気の及ぶ範囲が一部の地域に限られていれば、立地を問題の本質として見ることもできます。店の立地が東京で、寒気が及んでいる地域の最南が首都圏なら、(あくまで思考実験ですが)立地の変更が課題になるかもしれません。解決策は例えば九州への移転です。

問題が及ぶ影響の程度や範囲によって、影響を避けたりやわらげたりすることが問題の解決に見当をつける課題になります。

③守りたい価値の毀損

売上の減少という価値の毀損が問題の本質であれば、売上の平準化が課題となり、冬季にニーズの強い商品開発が解決策かもしれません。

(3)リスク

①わからない

寒気がいつ来るかわからず売上にリスクを抱えるのが問題の本質なら、気象予報の精度アップが課題かもしれません(できるできないは度外視して言っています)。将来のことがわからないのが問題の本質なら、まずは特定するのが課題です。

②コントロールできない

気象をコントロールできないのが問題なら、売上に保険をかけて売上のコントロールを図る手もあります。

 

4 最後に

(1)課題は自由が醍醐味

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カッコ書きで強調したように、思考ロジックしか言っていません。現実味は度外視しています。

ですが課題を考える上で、柔軟な発想は命綱です。できることだけで考えると、急に出口が狭くなります。

考えるのは自由です。考えただけで責められることはありません。自由に発想しているうちに、それまで気づかなかった切り口が見つかるかもしれません。

そう考えて、わかるのは、問題の本質は原因だけとは限らない点です。影響やリスクが問題の本質かもしれません。

「これこれは問題だ」と言うのは簡単ですが、どういう問題なのか、問題の本質を解明することが重要ではないでしょうか。それが課題思考につながる切り口だと思います。

(2)まとめ

  • 課題とは問題の解決に見当をつけること。
  • 問題の本質には「原因」「影響」「リスク」がある。
  • 課題は現実味は脇において自由に考えるのがコツ。

ポエタ

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