課題の教科書

Critical Realism for All Leader

サービス業の働き方改革で生産性向上の課題はインプットの質向上だった

こんにちは。ポエタです。

今回は実践編です。

目次です。 

1 はじめに

一人でできる働き方改革をこのコラムで論じました。

www.critical-realism.com

ポエタの働き方改革論の基調は、単にインプット量を減らそうとしても、正しい生産性向上にはならない、という点です。単に業務時間を減らそうとする方法では、生産性が不安定になり取引先に迷惑がかかるリスクがあります。

では、働き方改革で生産性を上げるための課題は何なのか。今回の記事では、特に日本のサービス業を念頭において、この論点を考えたいと思います。

 

2 働き方改革における生産性向上の課題

(1)よくある働き方改革の問題

生産性はアウトプット(生産量)をインプット(投入量)で割った指標です。

生産性 = アウトプット(生産量) ÷   インプット(投入量)

働き方改革の狙いを、業務負荷の軽減においた場合、よくありがちなのは、「みんな早く帰らないと電気消すよ」「残業減らすとボーナス増えるよ」という手法への注目です。

それで生産性が上がる人はよいです。しかし、これでは業務時間(投入量)が無理やり減らされて、満足にアウトプットが出せず、悔しい思いをする人もいるのではないでしょうか。

スポンサーリンク

 

働き方改革において、単にインプット(投入量)を減らすことに力点におくことの問題は、多くの人が気づいていると思います。「狙いはインプット(投入量)を減らすことではなく、生産性を上げることだ」という認識は、ほぼ共有されているでしょう。では、どのように考えれば、働き方改革で生産性を上げることができるのでしょうか。

(2)まず、アウトプットを増やそう

ポエタが、ブログを書いていて感じたのは、アウトプットを増やせば、インプットが減るという事実です。どんなに頑張っても一日24時間しかありませんから、アウトプットに費やす時間を増やせば、必然的にインプットに使う時間量が減ります。すると、必ず生産性は上がると思われます(ちなみにポエタの生産性指標それ自体は未評価で、評価の仕組みづくりが課題です)。

おそらく、これまでの日本の生産性向上のモデルは、限られた業務時間の中でアウトプットを増やすことに力点があったのだと思います。一日24時間の中で、最大限アウトプットを増やす方針で社員に業務負荷をかければ、その分インプットが下がり、結果的に生産性を上げる考え方です。

f:id:criticalrealism:20181017133925j:plain

しかし、日本の生産性は、なかなか上がらない状況が続いていたと言われています。これまでも、生産性を上げるモデルはありましたが、限界が来たのが今の状況だと思います。日本の働き方改革には、そういう沿革があるのだと思います。

(3)インプットの質を上げることが課題

このように、かつてのように、単にアウトプットを増やすだけでは、生産性向上には限界があることになります。では、真の課題はどこにあるのでしょうか。

それは、アウトプットを増やしつつ、インプットの「質」を上げることです。ここでポイントになるのは、量と質の切り分けです。インプットにも量と質の二つの側面があります。

これまで、日本企業の現場では、アウトプットの「量」だけでなく、「質」が厳しく問われてきました。わかりやすい例が、商品の品質に妥協があってはならない、という日本企業の伝統的な文化です。

その一方で、インプットの「質」は厳しく問われてきませんでした。単に業務にかける「量」の問題として、時間管理の枠内で語られてきただけではないでしょうか。

ポエタがブログを書いて感じたことを、先ほど述べました。アウトプットを増やすと、インプットが減るという経験です。この経験をインプットの「質」を上げることに活かすとしたら、どう考えればよいでしょうか。

アウトプットが増えると、インプットの「量」は必然的に減るけれども、インプットの「質」は上げざるをえなくなります。なぜなら、アウトプットにかける時間を増やすと、限られた時間でインプットを終えなければいけませんから、不要な文献の調査時間は削減し、読むべき箇所にも目星をつけるようになります。つまり、インプットの質を上げようとするのです。

インプットの質が上がれば、アウトプットのレベルを下げることなく、インプットの量を減らせますから、結果的に生産性は上がります。

 

3 施策

(1)業務時間の区分

サービス業を念頭におくと、同じ人でも、アウトプットする行為とインプットする行為を別々に行うケースが出てきます。これに対して、製造業だと、原材料を投入する時間は、製品を生産する時間と同時です。

ポエタは考えます。日本で特に生産性が低いと言われるサービス業の生産性を上げるには、業務時間をアウトプット時間とインプット時間に区別する必要があると思います。

全ての業務時間を、アウトプット時間かインプット時間のどちらかで認識することが必要です。

(2)厳格な時間の目標管理

しかし、これだけでは、インプットの質を上げることができません。一人ひとりの総業務量に制限をかけ、アウトプットとインプットの目標時間を厳格管理して、総量の枠内でアウトプット目標(=ただし、これは生産量目標)を上げていけば、インプットの質を上げるモチベーションが働きます。

(3)適正な総業務量の見極め

しかし、総業務量を少なく設定すると、インプット時間が少なくなりすぎて無理が出ます。総業務量が多すぎても余裕がありすぎて、インプットの質が上がりませんから、生産性は上がらないでしょう。どこかに適正な総業務量があるはずです。

どうしたらよいかは、正直言ってまだわからないのですが、やりながら適正な総業務量を見極めて行く、バランス感覚が必要だと思います。あくまで時間管理を上記の(1)(2)(3)までセットでやる必要があると思います。

 

4 最後に

(1)働き方改革における理想的人材像

しかしながら、ポエタは、単なる時間管理だけで、生産性向上の成果が出るとは思いません。働き方改革は、本質的には人材育成モデルの転換です。若手がインプットの質を上げるには、本人の頑張りに加え、上役の指導やフォローがどうしても必要なことは、明らかだと思います。

そして、少しめんどくさいことを言いますが、(大事なことなので言いますが)サービス業のスタープレーヤーは、インプットとアウトプットを同時に行う人です。「二つを分けろと言っておいてなんだ?!」と言う人がいるかもしれません。しかし、概念的には分ける必要があるんです。その上で、二つを同時に行うことが生産性の飛躍的向上を生む、とポエタは確信しています。だって、一気に二つのことが済んじゃうんですから!

サービス業は「価値の生産」と「価値の提供」が同時に起きるのが普通です。それに加えて、インプットとアウトプットを同時にやれば画期的です。

コンサルタントなら、経営者とディスカッションして、その場でアウトプットを出すことです。インプットは経営者とのディスカッション中に行い、すぐアウトプットを出すんです。極論ですが、それ以前の準備時間にいかなるインプットもしなければ、生産性はウナギのぼりです。

ブログだったらどうでしょうか。ブログは「価値の生産」と「価値の提供」が同時ではないので、純粋なサービス業ではないと思います。しかしあえてインプットとアウトプットを同時に行おうとすると、「書く文章を考えながら資料を読む、情報に触れる」ことです。こうなれば、後は早いですよね!

スポンサーリンク

 

働き方改革は、本質的には人材育成モデルの転換を促すものです。サービス業の人材育成の課題であるインプットの質向上の中身は、インプットとアウトプットを同時にやれるように鍛えることだと思います。インプットとアウトプットを同時遂行する人が、サービス業の働き方改革において理想とする人材像です。

(2)まとめ

  • サービス業の生産性を上げるには、まずアウトプット時間を増やすこと。
  • 日本のサービス業は、本質的にはインプット時間の質をあげるのが課題である。
  • インプットの質向上には、インプットとアウトプットの同時遂行スキルの習得が必要である。

ポエタ

経営者ランキング

コンサルタントランキング

スポンサーリンク