課題の教科書

Critical Realism for All Leader

就職活動の軸を設定する上で就職活動の開始時期は早い方がよい理由

こんにちは。ポエタです。

今回はコラムです。

目次です。 

1 はじめに

大学生をやっていると、いつの間にか就職活動がやってきます。社会人経験がない人がほとんどだと思いますが、就活で実社会の洗礼を初めて浴びるわけです。何から始めたらよいか、わからず途方に暮れたまま、みんなが始めてるから慌てて研究し始める。そういうパターンにハマっているなら要注意です。

選考では、「就職活動の軸」を聞かれることがあります。ES(エントリーシート)や面接では、それ以外にも様々なことを聞かれます。ですが、社会人経験をしてきたポエタから見ると、「就職活動の軸」は、学生の就活の本質を問う手強い質問だと考えます。

なぜなら、「就職活動の軸」から、学生の本気が浮かび上がってくるからです。

「就職活動の軸」を設定するためには、根本的な質問を自分に投げかける必要があります。就活を始めた後に面接官に指摘されて気づくのでは、遅い。就活では、根本から考える姿勢が試されます。そして、就活を主体的に進めるためには、なるべく早い時期に始める必要があります。そのことを、今回の記事ではみていきたいと思います。

 

2 「就職活動の軸」を問う企業側の意義

企業側は、その会社に入る意欲のある人材、適性のある人材を求めます。そのため、次のような狙いで「就職活動の軸」を問う傾向にあるようです。

  • イメージ先行の志望動機をふるい落とす
  • 価値観が合うかどうかを明らかにする

その企業のブランドや社会的イメージへの憧れで入社しても、辛い現場業務には耐えられないかもしれません。厳しい業務に耐え抜くには、志望動機が明確で筋が通っていなければなりません。そのことを確かめるために「就職活動の軸」が問われます。

また、企業によって理念が異なり、追求する価値は様々です。形成される社風も、社員が共有する価値観が土台になります。企業の価値観との合致は、その人材が活き活きと仕事に励む上で重要なポイントです。企業側は「就職活動の軸」を聞いて、学生が追求したい価値観を確かめようとするでしょう。

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ただ、注意が必要なのは、学生は、単に志望動機と価値観を訴求すればよいわけではない点です。学生に「就職活動の軸」を問う質問の意図は、もっと深いところにある。ポエタの見解を述べて行きます。

 

3 「就職活動の軸」を考える学生側の意義

「『就職活動の軸』が聞かれるらしい」「どんなことを答えればよいのか」そういう疑問を持つ学生向けに、ネット上では豊富な記事が並んでいます。解説記事を読んでみると、なぜその会社を志望するのか、という点にフォーカスが当たっている記事が多いようです。果たして、それだけなのでしょうか。

ビジネスの世界では、「軸」の議論は非常に奥が深いです。「軸」を問う質問は、相手の視野の広さを試すことになるからです。就活を始めたばかりのあなたは、「軸」を一本か二本とって、志望する企業(群)を絞り込めればよい、そう考えるかもしれません。

しかし、例えば、軸として「提供価値の種類」と「提供対象」の2つだけとって、それで志望先を決めて、本当に納得いく就活ができますか? 

ポエタは考えます。「軸」は候補を無数に挙げることが肝です。視野を限りなく広くとって「軸」を設定しないと、納得ずくで就活を終えることは難しいでしょう。

例えば、「遊び軸」と「仕事軸」の2つをとってみたことはありますか? あなたは「就活をする前提なんだから、こんな軸はあり得ない!」と言うかもしれません。しかし、この2つの軸をとる意義は十分にあります。なぜなら、「なぜ自分は遊ばずに仕事をするのか」、働く意義を真剣に考えるきっかけを得られるからです。あるいは、就職後の「仕事」と「遊び」のバランスについて考えることもできます。

「就職活動の軸」を考える意義は、こういうところに現れます。真剣に就活に臨む者しか、視野の広い軸を持ちません。きついことを言いますが、「時期がきてみんながやり始めたから、自分も(焦り始めて)やろう」という学生は、あり合わせの軸しか持たず、就活のモチベーションもどこにあるのか怪しい状態になりかねません。

もっとも、ポエタは、面接で「遊び軸」をとうとうと披露すべきだ、と言っているのではありません。自己分析の一環で、そこまで根本的なところから考え始めた人は、俄然、志望動機を述べる論理構成に説得力が出てきます。視野を広くとる人の強みはそこです。ポエタの言いたいのはそういうことです。

「遊び軸」と「仕事軸」は、あくまで例です。他にも軸のとり方は無数にあります。あなたには、軸の候補を無数に生み出すことで、就活に臨むにあたっての自問自答に向き合っていただきたいと思います。

 

4 「就活の軸」を考えるための質問例

(1)質問例

「就職活動の軸」を考える上で、有効な質問を例示します。これが全てではありません。例を踏まえ、あなたに、幅広い視野をとって根本から考え始めてもらうことが大切なことです。

①なぜ就職するのか(進路軸)

  • 大学院進学、学部再入学、資格浪人、就職…

②なぜ職業は会社員なのか(職業軸)

  • 自営業、会社員、公務員…

③なぜこの業種なのか(業種軸)

④職種の希望は何か(職種軸)

  • 営業、製造、経理、企画…

⑤雇用形態は何か(雇用軸)

⑥なぜ当社なのか(会社軸)

  • 提供価値:喜び、安心、学び、体験、リスクヘッジ
  • 対象顧客:中高年男性、お一人様、企業家、病人、受験生…
  • 提供方法:施設運営、製造、対話、治療、講義…

⑦なぜ日本で就職活動するのか(地域軸)

  • 日本、アジア、北米、ヨーロッパ、オセアニア、中東、アフリカ…

⑧なぜ今就活するのか(時間軸)

  • 1年次、2年次、3年次、4年次、卒業後…

(2)答えより大事なこと

留意してもらいたいのは、学生のあなたにとって、この質問に答えることが目的ではありません。多分すぐ答えられるのではないでしょうか。それよりも、そう答える理由、つまり自分の狙いを考えることが大事です。答えの理由(狙い)こそが、選考過程で自分の志望動機を明確に語るため、意思を育てるための素地になります。

悩んでしまうかもしれません。一足飛びに答えだけ出そうとするかもしれません。そんな場合も踏みとどまって、理由(狙い)を考え抜いてください。狙いとは、あなたが根拠のある意思を込めることです。客観的な答えを出すことではありません。

 

5 留意点

(1)就活は早ければ早いほどよい

多くの学生にとって、就活はいつの間にか始まります。周囲に押し流されて就活を始める人は、型にはまった活動になりがちです。それだと、進路軸、職業軸、時間軸など最初からスッポ抜かして、「就職ありき」「会社員ありき」「世の中の時期ありき」で就活をスタートしてしまいます。

軸を考える契機をしっかり確保するためには、なるべく早い時期から就職についてのスタンスを考え始める必要があります。大学4年になって、今から公務員になろうと思っても、試験準備には間に合わないかもしれない。すると、自動的に一般企業の採用に滑りこもう、とか理由もなく軸を設定することになります。すると軸は一応あるんだけど、理由(狙い)がないから、選考で説得力のあることが言えないわけです。

ですから、活動は早ければ早い方がよい。そして早く終えれば、残りの学生生活を有意義に過ごせるでしょう。

(2)広い視野で軸を探す

今の時世は、大学を出て一般企業の正社員になる、という昔ながらの標準コースが必ずしも定番ではありません。こういう時代だからこそ、思い込みにとらわれない、軸の設定が重要です。軸の設定のスキルは、企業社会で仕事する上で、とても重要です。

今、我々が生きる世界は、過去の常識が通用しない変化の時代にあります。そういう時代だからこそ、軸の設定で自分の行くべき道を開拓できる人材が求められるのではないでしょうか。

(3)知らないから調べる、聞く、確かめる

最初から、簡単に軸の設定ができる人は、ほとんどいないと思います。しかし、軸の狙いを考える上で、「これがわからないから設定できない」という疑問が出るはずです。出ないほうがおかしいです。出るのが当然だから、調べたりするわけです。資料やネットで調べても限度がありますから、直接聞いたりするわけです。

この行動ができるかどうかは、社会人として生きて行く上で大きな分かれ目です。知らなくて当たり前なのだから、聞く。狙いをもって聞く質問には、風格が出ます。聞き方にもよりますが、質問の意図が伝われば、相手は「なるほどね」と共感を示しながら、親切に答えてくれます。我々が生きる社会はそういう社会なのだ、とポエタは一応認識しています。

(4)正直ベースで対話できたら勝ちは近い

就職活動の軸が狙いとともに設定できない人は、自信がないので、選考途中で表面を取り繕いがちです。そういうところは、採用担当者も社会人経験豊富でしょうから、すぐに気づきます。質問を2つ3つ重ねれば、すぐに矛盾が浮き彫りになるかもしれません。

無矛盾な受け答えのコツは、正直ベースで答えることです。正直に答えたら就職はままならない、と思うのなら、それは就職活動の軸が設定し切れていない可能性があります。

採用担当者に「こいつちゃんと考えてるな」と思わせるには、正直に語らないといけません。

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若干の駆け引きが生じたりはするでしょう。何もかもあけっぴろげに言う必要はないでしょう。しかし、基本は正直ベースで話して、相手と対話が成り立てば、その会社で自分が仕事するイメージがぐっと近づくはずです。語るべきことは、いっぱい沸いてくるのではないでしょうか。

(5)選ぶ権利はお互い様

ポエタは、よく思うのですが、面接に来た学生が、異口同音に第一志望を唱えるとしたら、どこか不自然ではないか。学生は選ばれるという意識が強いから、志望度を高めに言いたがるかもしれません。しかし、お互いそんなに知り合ってもいないのに、いきなり第一志望と決めてかかるのは、よほど企業研究が進んでいるのかもしれないけど、少し違和感の出る事だと思います。

もちろん、その時点での、都度の志望度を言える状態にしておくことは大切でしょう。しかし、それも「就職活動の軸」がしっかりしていなければ言えません。

そして、「就職活動の軸」を相手に伝えるということは、志望度の基準や志望先の優先順位をだいたい相手に明かすことかもしれません。しかし、「正々堂々手の内を明かしても、自分はこの企業に入る気があるんだ、という気概で押していけ」と言ったら少々理想主義的でしょうか? ちょっと危険かもしれないですね。

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むしろ、言いたかったのは、「就職活動の軸」では、自分はただ選ばれる立場なのではなく、自分も就職先を選ぶ立場なのだという自覚を持つことが重要だという点です。先ほどの、手の内がどうのこうのは、余計なことです。こっちも就職先を選ぶんだ、という意識が重要です。軸を持っている限り、それが自然なことですから。横柄な態度をとっていいという意味ではありませんが。

 

6 最後に

まとめです。

  • 「就職活動の軸」は企業側、学生側の両方にとって意義のある旗印である。
  • 前提にとらわれず、視野を広くとって軸を設定することで、自分の真の狙いを問い続けることができる。
  • いつの間にか軸が絞り込まれる前に、前倒しで就活を考え始めることが、進路選択全般を落ち着いて考えることになる。
  • 就職活動の軸は、学生が就職先を選定するための基準であり、この基準を採用担当者にどう示すかが、本質的な対話を成立させる鍵である。

ポエタ

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