課題の教科書

Critical Realism for All Leader

迷惑をかけず自分ひとりでできる働き方改革の課題って何か考えた

こんにちは。ポエタです。

今回は実践編です。

目次です。

1 はじめに

働き方改革の必要性が叫ばれています。先んじて働き方改革に取り組んだ企業の事例がマスコミでは、よく紹介されます。「成果が出た」という前向きなアナウンスが聞こえることがあります。一方で、「こんなことをしたら会社がどうにかなってしまう」と言う心配の声を聞くこともあります。

働き方改革が必要とされる背景は、次の3つです。

あなたの周りでは、働き方改革は進んでいますか? おそらく、多くの人は、まだそこまで本格的に働き方改革に取り組んでいないと思います。

働き方改革があまり進まない理由は、次のようなものではないでしょうか。

  • 仕事には相手方がいるから、自分達の都合だけで働き方を変えられない。
  • 人材を育成するためには、ある程度の業務負荷は必要だ。
  • 仕事の手を抜くような発想は、勤勉な社風に合わない。

等々

取引先が、明日の納品を希望しているのに、こちら側の都合で遅らせるわけには行きません。また、仕事に負荷をかけなければ、若手がここ一番で能力を発揮することは期待できないのではないか、と思う旧世代の人は数多いでしょう。そして、みんなが一斉に18時に帰宅すると、会社の雰囲気として、違和感を感じる人もいるでしょう。

ポエタが注目する点は、働き方改革は、多くの場合、個人の努力ではどうにもならない点です。働き方を変えたくても、仕事の相手方は、こちらの都合は聞いてくれません。

では、会社のトップが旗を振り始めるまで、働き方改革はできないのでしょうか。実はそうでもないのではないか。今回の記事では、他人に迷惑をかけず、自力で取り組める働き方改革の課題について考えました。

 

2 課題の着眼点

(1)生産性を上げる

働き方を変える、と言っても、単に業務を減らすことではありません。生産性を上げる必要性があります。なぜ生産性を上げる必要があるでしょうか。

 生産性 = 生産量 ➗ 投入時間

生産性を上げるには、生産量をあげるか、投入時間を減らすかです。

理論的には、投入時間を減らしても、生産量を維持すれば、生産性は上がります。しかし、理論上はそうでも、実際はそう簡単には進みません。

普通、投入時間を減らせば、実務上は、それにつられて生産量も減るでしょう。つまり、働き方改革に取り組む過程では、生産性は不安定な動きをとるはずです。自力で働き方改革に取り組む場合、それではトラブルが起きる原因をつくることになりますし、評価が下がってしまうかもしれません。

この問題を避けるためには、働き方改革に取り組む始点の段階で、バッファとなる生産性を高めに維持できている必要があります。多少上下に幅が触れても、最低限の仕事の水準を満たす生産性の高さが必要です。

働き方改革には原資が必要です。その原資は生産性です。元々生産性の高い仕事をしていなければ、働き方を変えるための余裕度は期待できないでしょう。

平たく言えば、「あの人の仕事は信頼できる」という周囲からの信頼は、自分の働き方を変えるためのベースになる。そういうことなんじゃないかと思います。

(2)生産量にもこだわる

ひとりで取り組む働き方改革で、さらに重要な点は、仕事の相手方の期待値を裏切らない(満たす)ことです。いくら生産性が高まっても、生産量が低くなれば、ずっと取引してきた顧客は、「あれっ?」と思うはずです。なので、投入時間が減った直後につられて生産量が減ったとしても、その後は着実に生産量を回復させなければなりません。

つまり、生産性の向上(水準の問題)と生産量の維持(変動の問題)の二つを実現しなければ、働き方改革は単なる自己本位の取り組みとなり、顧客や周囲の同僚の理解は得られません。

なお、契約上、顧客から得られる対価が、生産量と投入時間のどちらと連動するかによって、このへんの考え方は異なってきますが、一度問題を単純化して考えました。

(3)やることを変えずに、やり方だけ変える

働き方改革の取り組み例として、こんな施策を聞くことがあります。

  • 会議の回数、時間を減らす
  • 移動方法を変える
  • AIを導入する
  • 工場を自動化する

気をつけたいのは、これらは全部「やり方」の変更です。会議にかかる時間は減らしても、「この事案について承認をとる」ことは変えていないはずです。営業活動の移動方法は変えても、「この地域でこの商品の受注をとる」ことは変えていないはずです。

その意味では、働き方改革では、本質的な仕事の部分は何も変わりません。

それを変えてしまったら、仕事は成り立たず、会社は衰退すると思います。働き方改革につきまとうネガティブなイメージは、この辺の考え方の誤解にあるのではないでしょうか。

一人で働き方改革に取り組む場合、仕事の本質的な部分を勝手に変えてしまったら、ダメ出しを食らうのは必定です。しかし、やり方だったら、自分の裁量の範囲で変えられる部分は見つかるのではないでしょうか。

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(4)裁量を広げる

しかし、やり方だけを変えるにしても、限度があります。組織内のルールに縛られた部分は、自分の裁量では勝手に変えられません。

働き方改革に取り組んで自分の生産性を上げて、生産量も期待値を上回っていれば、仕事は大分レベルアップしているはずです。また、仕事のやり方を柔軟に見直し、組織の生産性アップに還元すれば、改善実績として認められるかもしれません。

自己の仕事がレベルアップし、組織に貢献すれば、周囲の信頼も高まり、昇進の機会も増えるのではないでしょうか。

その結果、自己裁量の権限が広がれば、これまで取り組めなかった働き方改革にも取り組む機会を増やせるでしょう。

(5)転職する

これまで述べた(1)から(4)の着眼で取り組んでも、どこかに限界は生じるでしょう。その場合、思い切って他社に転職するという選択もありますね。

働き方改革が活発な会社。自分の進めてきた働き方改革を高度化できる方針や環境のある会社。選択肢を広げて考えることができます。

しかし、転職は目的が肝心です。判断は慎重に行いましょう。

(6)自営業になる

組織の内部では、思うような働き方改革ができない。取り組んでみると、そういうケースがあるかもしれません。自営業になれば、組織のしがらみや制約からは、ある程度自由になれます。働き方改革を進める上で、かなり抜本的な構造転換になるでしょう。

しかし、かなり思い切った判断になりますので、慎重な検討と下準備が必要です。取引先に自分の都合が通じない構造に、変わりはないでしょう。

 

3 課題設定のための“問い”

課題を見つけるための、着眼について紹介しました。では、課題は何なのか。それは人によって異なります。

しかし、あなたにとって、一人で進める働き方改革の課題を見つけることは、次の質問に答える事ではないでしょうか?

  • いくら稼ぎたいのか
  • やりたいことは何なのか

(1)いくら稼ぎたいのか

生産性向上には目標が必要です。生産性目標として、投入時間を絞るとすると、いくら稼ぐか(生産量)が非常に重要になってきます。

かつてのように、仕事にかける時間だけで稼ぎが決まってくる時代ではなくなりつつあります。また、単に投入時間を減らせば、自然に生産性が上がるわけでもありません。明確に、いくら稼ぐのか(生産量)、がとても重要になります。それによって、働き方改革のやり方に求める期待効果のインパクトも違ってくるでしょう。つまり、目標となる稼ぎによって、課題の十分条件が変わります。

(2)やりたいことは何なのか

おおざっぱに言います。生産性向上(と生産量の維持)、昇進、転職、独立は、全部、やりたいことの「やり方」を変えることです。

例えば、昇進は役職の選択です。転職は所属(あるいは職種)の選択です。独立は職業の選択です。どれも大きな変化ですが、考えてみれば、いずれも「やり方」の選択です。

働き方改革では、「やる事」は変わりません。言い換えると、「やる事」が明確でないと、「やり方」は変えられません。ですので、何をやりたいのかを自分自身ではっきり見定める必要があります。

働き方改革の課題は、あなたが何をやりたいか次第ではないでしょうか。

 

4 最後に

(1)留意点

ひとりで取り組む働き方改革は、つまり仕事のレベルアップです。それは単なる改善活動ではありません。キャリアアップが視野に入る大きなテーマです。

また、働き方改革は、段階的に進めるべきものです。まずは生産性を高め、改革に取り組むための元手を確保する必要があります。徐々に実績を蓄え、中長期で昇進を狙うことも考えられます。

そう考えると、働き方改革にゴールはありません。仕事をする以上、働き方改革は誰にとってもテーマであり続けます。しかし、途中途中に目標を設ける必要があります。納得を得るのは、目標を達成したときでしょう。働き方を変えることで、自分がどうなりたいのか、どんなことを実現したいのかが明確であれば、目標達成によって仕事のやりがいを享受することができます。

(2)まとめ

  • 働き方改革」は、仕事の相手方との関係を含めた仕事の見直しが必要であり、個人でできることには限りがある。
  • 自分ひとりでできる働き方改革は、仕事のレベルアップそのものであり、中長期のキャリア形成に他ならない。
  • 「いくら稼ぎたいか」「何をやりたいか」という2つの問いに答えを出すことが、課題設定に必要な論点である。 

実は、ポエタ自身、会社を辞めたのは、自分で取り組む働き方改革の一環でした。その結果、批評活動に転じました。しかし、「リーダーの課題解決を支援すること」は変えていません。やり方は変えましたけどね。目標達成に向けて取り組む毎日です。今回の記事は、その取り組みで構築した思考ロジックを元にしています。ちょっと余談でした。

ポエタ

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