課題の教科書

Critical Realism for All Leader

クリティカル・リアリズム試論|3つの要点|批評文を書く目的

クリティカル・リアリズム(=批評としての現実主義)を標榜し、批評文を書いてきました。その過程で、三つの要点が浮かび上がってきました。 

(1)人物本位

(2)美点凝視

(3)意識醸成 

三つの要点の内容を整理したので、以下に紹介します。

(1)人物本位 

何を対象として批評するのでしょうか。色々試しましたが、人物を批評すると文章の甲斐が出ると思います。漠然としたものを論じてもパッとしません。例えば、人生について、世界について、観念について論じても、締まりが悪いのです。 

人物を批評すると、具体的な事物に関する想像力が働きます。その人のいた場所、そこから見える景色を、わからないながらも推量すると、その人のとった行動と下した判断が、自分の体に重なってきます。その時、その人の背負った課題が、脳裏に飛び出して来るのです。 

課題は、その人がいかに生きようとしたか、を示す貴重な標本です。私は、そういうリアルな生き方の例を、読者に伝えたいと思います。(時折、随想という形で、人物に関連しない「間奏曲」をお届けすることは、あると思いますが。)

(2)美点凝視

批評対象の欠点を並べても、批評文にはなりません。論評に値することを書かなければ、批評行為の自己否定になるからです。

また、全ての存在には目的があり、全ての存在は目的に向けて成長しようとします。その究極の目的を仮に善と置くなら、全ての存在は善を志向すると言えるでしょう。私は善にかなった存在物のありようを批評したいです。 

悪い面を批判することで、本質を浮かび上がらせる手法があります。しかし、悪い面から本質を規定しても、結局は、存在の目的である善に戻ってこなければなりません。今の私は、直截的に善の観点で、存在の本質を浮き彫りにしたいと思います。 

そして、存在の本質からは、課題を自明化します。形而上学的な本質論で完結しない、形而下にまで降りていき、具象的な批評を実践したいのです。 

(3)意識醸成 

具象的な批評の目的は、批評対象、ひいては読者の意識を醸成することです。具体的な課題が輪郭を帯びたとき、このままでいてはいけない、という危機意識が生まれ、行動に踏み出します。 

おそらく、批評文を書くことで、一人ひとりの読者に最適化した課題までは出せないでしょう。課題を出すためのコミュニケーションは、対話です。書いただけでは対話にはなり得ません。しかし、問いかけることまではできる。私は批評文によって読者に問いかけたい。問いかけることが課題形成の源であると思います。 

この三点に重きをおいて、今後の批評文を書き続けたいと思います。まだ完成型ではありません。今後も探求したいと思います。

今後もよろしくお願いします。

スポンサーリンク